【啄木鳥探偵處】第10話のあらすじと感想!啄木はクズだった?

病気が悪化し、具合が悪い石川啄木。死期を感じている啄木は、心を入れ替え小説を書き上げ、夏目漱石の元へ向かう。

残りの人生を懸命に生きようとする啄木、啄木の才能を信じて疑わない京助。最終回まで、残りわずか!「啄木鳥探偵處」の第10話のあらすじ、ネタバレ、感想を紹介します。

 

【啄木鳥探偵處】第10話のあらすじ

いつものミルクホールで啄木を心配する文士たち。

そこに現れた啄木は言う「これまで、僕は利己的で、打算的で、天才きどりの鼻持ちならない男でした」と借りていたお金の1割をそれぞれに返すのだった。

自分の部屋に戻った啄木は、小説を書き始める。詩を作ることはしょせん遊び事と、小説を書くことに没頭するのだった。

夜になって、京助と一緒に晩御飯を食べる啄木。食欲が戻った啄木は、小説の取材費が必要だと言い、京助にお金を貸してもらう。

ミルクホールで啄木の近況を聞いてくる文士たち。いまさら性格は変えられないと言う吉井勇に、京助は、「変われます。彼はきっと変われます!」と啄木を信じるのだった。

ようやく描きあがった小説を夏目漱石に見てもらう啄木。よく書けているとの言葉をもらった啄木であったが、それは、啄木の体調を気遣う漱石のやさしさであった。

吉井勇と萩原朔太郎は、夜遊びをしている啄木を見つける。友達思いの朔太郎は、啄木に「信じている金田一君に悪いと思わないのか?」と問いかける。

「勝手に友情を押し付けてきて、迷惑している。凡人には、分からないことだろうけど」と答える。

その言葉に反応したのは、怒っていた朔太郎ではなく、吉井だった。「友達を馬鹿にする君を殴りたくなったので」と吉井は言う。吉井は、朔太郎と親友関係にあるため、ふざけているようにしか見えない啄木が許せなかったのだ。

一人残された啄木は「才能のない方は、野暮ですね」「こんなもの、リアリティもクソもあるか」と漱石に見てもらった小説の原稿を燃やすのであった。

翌日、お金が工面できたかを京助にきく啄木。お金を無造作に受け取った啄木に、「花に水をやってみませんか?心が癒されますよ」と言う京助。

啄木は、何も言わずに、花が植えてある鉢を窓から投げ落とすのであった。

啄木が女遊びをしているのを知っている京助だったが、啄木の才能を信じていた。啄木の小説の出来具合を気にする京助は、柚餅子(ゆべし)の差し入れをしようとする。

部屋に入れようとしない啄木に違和感を感じた京助が、部屋に入ると、自ら腹を切る啄木がいた。何筋も包丁で腹を切っていたが、死にきれないでいたのだった。

京助を振り払って部屋から出た啄木は、夜道で若山牧水と出会う。牧水に「なんだか、疲れてしまいましてね」と弱音をはく啄木。

「それは、いかん!君にはせっせと詩を詠んでもらわないと。僕は君の詩が大好きなんです」牧水は、旅先で作った詩「幾山河、 越えさり行かば 寂しさの、 終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」を詠みあげる。

その詩は、「一体、どれほどの山を越え、河を越えたら、寂しさを感じなくなるのであろうか?」と漂泊の旅愁を詠んだ詩であった。

夢破れた啄木は、その詩を聞いて故郷の盛岡に帰る。

ロクな小説も書けなく絶望し、桜が咲く場所で自殺しようとする啄木に、京助が声をかける。京助は、きっと啄木ならここに来ると思っていたのだ。

なぜ、そこまで自分を信じるのかと問う啄木に、「それが当たり前だから。いつでもそれが、僕にとっての当たり前」と京助。

「お金がいるなら、僕がいくらでも用立てる。でも、死ぬのだけは、許せない」「僕は、いつまでも君を守り続けます」と京助は、答えるのだった。

 

【啄木鳥探偵處】第10話の感想

啄木のクズっぷりが明らかになった回でした。救いがあるのは、自分がクズであることを自覚している点でしょうか?

アニメ「啄木鳥探偵處」を見ている人は、石川啄木が嫌いではない人だと思いますが、啄木自ら「これまで、僕は利己的で、打算的で、天才きどりの鼻持ちならない男でした」と言い切りました。

「確かにそうかも」と納得した人も多かったと思います。

実際に、啄木が天才であることは間違いないのですが、小説を書こうとしたときは苦労をしたようです。自分なりに、渾身の小説ができたのに、漱石に評価されないと落ち込んでしまい、小説を燃やす始末。

啄木は、やっていることが子供っぽいです。天才には、天才なりの苦悩があるのでしょうが、たった一度のトライで自暴自棄になる啄木は、子供っぽいとしか言いようがありません。

それに比べて、京助がやさしさが引き立った回でした。印象的だったのは、大事に育てていた花の鉢を窓から落とされた時の京助の態度でした。

鉢を落とした啄木に怒るのではなく、鉢がぶつかりそうになった加世さんを思いやってました。京助は、人を思いやれる、本当にいい人ですね。

啄木が花の鉢を投げたのは、自分のことを嫌いになってくれというサインだったと思いますが、そんなことは、もちろん京助はお見通しです。もはや、啄木の母親か?と思うくらい、啄木の良き理解者です。

そして、失意のどん底にいる啄木が、牧水の詩を聞いてどう行動するかも、京助は分かってました。

友情を押し付けてくると啄木は言ってましたが、母のようにやさしい京助をもう少し認めてあげてもいいのにと思いました。

また、「友達を馬鹿にする君を殴りたくなったので」と言い、朔太郎の代わりに啄木を殴った吉井は格好よかったです。

啄木の女遊びには理解を示していたものの、吉井から見れば、やはり啄木は不真面目に映っていたのでしょう。

吉井は、友達を馬鹿にする啄木を殴りたかった。そして、才能を無駄使いしているように見える啄木を殴りたかったのだと思います。

 

まとめ

啄木は、必死に小説を書きましたが、期待したほどの小説ができませんでした。牧水の詩を聞いた啄木は、故郷の盛岡に行き、命を絶とうとますが、啄木を心配した京助に助けられました。

天才だが子供っぽい啄木、どこまでも優しい京助、友情にアツい吉井と朔太郎。探偵としての事件はありませんでしたが、啄木と文士たちがよく理解できた第10話でした。

ところで、吉井勇って、今一つ地味ですが、「啄木鳥探偵處」のエンディングに流れる曲「ゴンドラの唄」の詩を書いたのが吉井勇だと分かりました。日本人なら、誰でも一度が聞いたことがある曲の作詞をしていたなんて知らなかったです。

「命短し、恋せよ乙女・・・・」1915年の作品。ちなみに啄木は、1912年に亡くなっています。命が短いというのは、吉井の実感からくる言葉なのかもしれません。

「啄木鳥探偵處」の最終回のラストシーンに、この曲をかぶせてきたら、泣いてしまいます。(NOW ON AIRの「ゴンドラの唄」はPOP過ぎて泣けない!)

どんな最終回になるか、必見です!

「啄木鳥探偵處」のED、NOW ON AIRの「ゴンドラの唄」

森昌子の「ゴンドラの唄」

加藤登紀子の「ゴンドラの唄」

加藤登紀子さんのは、歌詞が3番まで分かります。

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