石川啄木と金田一京助の探偵バディを組むホラーミステリーアニメ「啄木鳥探偵處」
彼らの友人である吉井勇や萩原朔太郎、野村胡堂、若山牧水は、給仕の季久に恋をしていました。しかし、4人が片思い中の季久には泉若という恋人がいました。第5話参照
今回は、季久の恋人の泉若が殺人事件に絡んでくる話。アニメ「啄木鳥探偵處」第6話のあらすじ、ネタバレ、感想を紹介します。
【啄木鳥探偵處】第6話のあらすじ
吉井が手に持つ新聞には、人気役者の橘乙次郎が*活人形 「金銀花」にかみ殺される猟奇事件の事が記されていた。
乙次郎が生前、*傀儡館から持ち出すほど「金銀花」に魅了されていたこと。 乙次郎の恋心で魂を宿し、生き人形となった「金銀花」が毎晩街を徘徊しているのだとか。
そこまで新聞を読んだ吉井は、片思い中の季久に相談される。
乙次郎殺しの犯人として自首したのは、季久の恋人の泉若だった。その泉若の無実を証明するために、真犯人の「金銀花」を捕まえてくれと頼む季久。
そこに横入りした啄木と共に、吉井は事件の真相を暴こうと動き出す。しかし、吉井は泉若が真犯人のままであれば、それに傷心した季久と結ばれようと企む。
吉井たちの話を密かに聞いていた京助も、心配になって吉井たちの後をつけていく。
大量の人形が置かれた乙次郎の自宅。「金銀花」は今でも傀儡館に展示されていた。
傀儡館は廃業寸前だったが、猟奇事件のおかげで「金銀花」を見る客が増え、繁盛していた。館主はここ最近、人払いをしてまで夜に傀儡館に籠っている。
そこまで調べた吉井たちは、館主が怪しいと睨む。館主がその騒動に乗じて「金銀花」に化けて街を歩き、もっと客を呼ぼうと企んだのだと。これで季久と結ばれると喜ぶ吉井を見て啄木は、つい胡堂と萩原、平井に話してしまう。
そこで、啄木は密かに、季久に傀儡館へ来るようにと平井に伝言を頼む。
「金銀花」に化けた館主を待ち伏せしようと、再び傀儡館を訪れた2人。啄木はそこで、事件の謎を解き明かす。
乙次郎は常軌を逸したほどの人形好き。特に「金銀花」がご執心だった乙次郎は、眺めるだけでは物足りなかった。
そこで乙次郎は、後輩の泉若に自宅まで運ばせて、夜な夜な「金銀花」を愛でることにした。京助と絶交した夜、泉若が「金銀花」を運んでいるところを啄木は見たのだ。
そんな乙次郎は、人形のように美しい、片目が義眼の季久に目をつける。
泉若を使って呼び出した季久に襲い掛かったのだ。
季久は危険を感じ、咄嗟に護身用の刀で反撃した際、乙次郎を殺してしまった。
真実を知った泉若は、季久を庇って自首をする。泉若と添い遂げたい一心の季久は、泉若の代わりに犯人となってくれる生贄を探していたのである。
こう話す啄木の言葉が信じられない吉井。
すると、傀儡館に潜んでいた季久に襲われた啄木は、季久の本音を明かす。
泉若が無実となるのに必要な生贄だった吉井たちが邪魔になった。排除したその罪は、「金銀花」に化けている館主に被せればいいと考えた。
自分たちを襲撃する季久を見て、啄木の話をやっと信じた吉井。
そんな2人を助けたのは、隠れて尾行していた京助の「警察だ!」という声だった。
京助の声に駆けつけた警察に季久は逮捕された。そして、「金銀花」に化けていた館主も別の場所で逮捕された。
後日、啄木へ吉井から手紙が届く。果たして、その手紙の内容とは?
*活人形…日本の見世物の一つ、生人形(いきにんぎょう)のこと。実際に生きている人間のように見えるほどの精巧な細工をほどこした人形。
*傀儡…歌などに合わせて舞わせる操り人形のこと。
【啄木鳥探偵處】第6話の感想
乙次郎の人形への異常な愛情は、とても怖かったです。大量の人形たちが映ったシーンは、思わず悲鳴をあげそうになりました。
そんな乙次郎に襲われた季久が、正当防衛で誤って乙次郎を殺してしまった。
それを知った泉若は季久を庇って自首をしてしまう。季久はこの事に酷く後悔するも、泉若と添い遂げたい一心で別の人を犯人に仕立て上げようとしてしまうのです。
片思い中の季久が逮捕された時の吉井の心情を考えると、本当に辛いシーンでした。季久に恋人がいても諦めきれなかったほど、吉井は真剣に季久が好きだったのです。
後日、吉井が啄木へ送った手紙には、季久が逮捕された後の話が書かれていました。
季久が逮捕された後、釈放された泉若はずっと自分が犯人だと訴え続けていたこと。
季久と泉若の間に強い絆を感じた吉井は、自分が入る隙など元からなかったのだと悟ったのだと。
その手紙を啄木が読んでいるシーンは、とても悲しかったです。吉井が心の傷を癒して元気になってくれる日が待ち遠しいです。
そんな啄木は、京介と絶交中、なかなか仲直りのきっかけがつかめずにいました。その京助も思わず啄木たちを助けたものの、啄木と絶交中のため、姿を現さずに立ち去ってしまいました。
なんとも不器用で、素直じゃない探偵バディなのでしょうか・・・(笑)
次回こそ、不器用な啄木と京助が仲直りしていることを願いましょう。
【まとめ】
「啄木鳥探偵處」アニメ第6話のあらすじと感想を、お伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
異常な人形フェチの乙次郎によって、幸せだった恋人たちは人生を狂わされます。その事によって泉若は季久を庇って自首をし、そんな泉若を救うべく、暴挙に出た季久。
「金銀花」に扮した館主が、夜な夜な街を徘徊したことで発展した猟奇事件。
吉井が新たな恋をし、元気を取り戻してくれたらいいですね。そして、絶交中の探偵バディが、仲直りする日はいつになるやら・・・。
次回もアニメ「啄木鳥探偵處」が楽しみです。
追記:
今回の話で出てきた吉井勇は、石川啄木の悪友であり詩人としてのライバル。華族出身の家柄のエリートであるが、私生活では、奥様が「不良華族事件」別名「ダンスホール事件」を起こした為、離婚。その後料亭の看板娘と再婚し、幸せな生活を送っています。
そんな事実を知って、今回の話を見ると感慨深いものがあります。給仕の季久に恋をしてしまう吉井、とても切ないです。アニメの吉井も、最後は幸せになることを祈ります。


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