【アルテ】のあらすじと感想！実在のモデルはいるの？

2020年4月4日に放送開始したアニメ「アルテ」

ひたむきに画家を目指す少女アルテの成長を描いた作品で、大人気になってます。
今回はそんな「アルテ」のあらすじと感想、そしてモデルと思われる人物について紹介します。

【アルテ】とは

「アルテ」は、「月刊コミックゼノン」で2013年10月から連載が始まった大久保圭（女性）による漫画です。
今回のアニメ「アルテ」は、その漫画を元に作られています。

「アルテ」の元となったのは、同じく「月刊コミックゼノン」に掲載された読み切り「工房の乙女」。
「アルテ」は、大久保自身の初の連載漫画。発行部数は累計85万部を超える漫画です。

「第2回次にくるマンガ大賞」「このマンガがすごい!2015」「NEXTブレイク漫画RANKING2014」などにノミネートされ、2016年には、フランス語版の「アルテ」も作られてます。

漫画「アルテ」は、その精密で美しい描写が好評。
そのモノクロ原稿は全て手描きで、カラー原稿の色塗りのみパソコンを使用しています。
大久保自身は、連載当初カラーが苦手とこぼしていたことのことですが、そんなことは微塵も感じさせない漫画です。

時は、16世紀初頭のルネサンス期、ルネサンス文化の中心地フィレンツェ。
貴族出身ではあるものの、あまり裕福とは言えない家庭に生まれたアルテは画家への夢を見ていました。

その当時の女性は、結婚して子供を産むことが一番の女の幸せと考えられてましたが、アルテは画家になることの夢を捨てきれず、家を出ます。
画家になる為にアルテは工房を回るが、女であることを理由に誰も彼女を認めてくれる人はいませんでした。

そんな中、唯一認めてくれたのは、画家のレオ。
しかし、貴族出のアルテが画家になるのは厳しいと思ったレオは、アルテの画家への思いを確認するため、「テンペラ画の地塗りを一晩で20枚作る」という無理難題を押し付けます。

アルテは、その課題をクリアしレオに認められ、工房に入ることを許されました。
その後もアルテは、様々な困難にぶつかりながらも自分自身の力で人生を切り開いていきます。

「アルテ」は、ローマ字表記をするとARTE。イタリア語でアートを意味する単語です。
漫画「アルテ」自体が美術をテーマにした漫画ですからアートという題名はうなずけます。

主人公の名前もアルテです。ただ単にアートを意味する名前かと思いましたが、アルテには実在のモデルが存在します。ただし、公表されていないので、あくまでも推定の話となります。

モデルとなったと思われるのは、アルテミジア・ジェンティレスキ（Artemisia Lomi Gentileschi）
17世紀イタリアのカラヴァッジオ派の画家です。

アルテミジアの自画像が残っていますが、アルテミジアの髪の毛の色は金髪ではありません。
髪の毛の色は黒と思われます。また目の色も青ではありません。

アルテミジアは、ローマの画家である父オラツィオ・ジェンティレスキの第1子として1593年に生まれ、幼いころよりその才能の片鱗を見せたといいます。
家庭教師として雇ったタッシと結婚を前提とした付き合いを始め、肉体関係を結びますが結婚に至りませんでした。

このことに激怒した父は裁判を起こしたため、アルテミジアは後世の*ジェンダー研究者の知られるところとなります。

*ジェンダー:社会的、文化的に作られる性別。社会学では、ほとんどの場合「女性」と同義。

裁判の後、父のすすめでフィレンツェの画家ピエール・アントニオ・シアテッシと結婚し、活動の場をフィレンツェに移します。

フィレンツェの芸術院では、最初の女性会員となりクリストファロ・アッローリなどの著名画家とも親交を持ちました。
フィレンツェでは、メディチ家との交流もあり、画家として成功をおさめました。

その後、ローマ、ナポリ、ロンドンと活動の場を移しますが、最終的にはナポリへ戻り、1652年に死去しています。

アルテミジア（Artemisia）は、*アルテミシアと表記されることもあり、1997年にはアニエス・メルレ監督で「アルテミシア」という映画も作られてます。

*アルテミシアは、ギリシア神話の月の女神アルテミスに由来するギリシア語。ギリシア語圏の女性に使われる名前。ゲームのキャラクター名でも使われてます。

漫画家大久保圭が描く「アルテ」は、ルネサンス期のイタリアの女性画家の話ですので、「アルテミジア」との関連性はかなり高いと思われます。

いかがでしたでしょうか？画家になる女性を描いたアニメ「アルテ」
モデルになったと思われるアルテミジアは、なんか気の強い女性を想像してしまいます。

漫画やアニメのアルテは、とにかく明るくて、頑張り屋さん。
アルテのめげずに頑張る姿は、感動を呼びます。
また、周囲の人たちの見る目が変わっていくのは、見ていて痛快です。

「何かを達成する度に、自分が成長している、それがいいんです！」と言い切るアルテ。
これからも目が離せません。

師として仰ぐレオや優しいイケメンのアンジェロとの関係がどうなっていくのか？
この辺にも注目です！