【イエスタデイをうたって】第4話のあらすじと感想!美大を目指す浪!カラスが出てくる謎がとけた?

2020年春から絶賛放送中のアニメ「イエスタデイをうたって」第4話のあらすじ、ネタバレ、感想を紹介します。そして、なぜ作中にカラスが出てくるのかの謎を究明します!

「イエスタデイをうたって」は冬目 景(とうめ けい)によって描かれた青春群像劇の漫画。
舞台は新宿にほど近い街。

フリーターをしている主人公に年の離れたふたりのヒロインや、個性的なサブキャラたちが日々を繰り返して未来を少しずつ探していく人間ドラマが緻密に描かれています。

“愛とはなんぞや?”のキャッチフレーズの通り、恋愛や家族、仕事など、日々の様々なことに悩んだり、迷ったりしながら生きる4人の男女の青春ストーリーです。

【イエスタデイをうたって】第4話のあらすじ

第4話「川は流れて 榀子帰郷」

美術大学を目指して予備校に通っている浪。まだ輪郭しか描けていない浪と比べて、周囲の生徒はスピードはもちろん技術や知識もある。その差をひしひしと感じた浪は、学校の美術部とは違うと肩を落とす。

家に帰ると、榀子が夕食を作って待っていた。落ち込んでいた浪は、榀子がいることに喜んで夕飯の手伝いを始める。

榀子は浪の横顔を見て身長が伸びたことを指摘する。
浪の兄である湧の身長を追い越しそうだと言う榀子は寂しそうな表情を浮かべていた。

浪は榀子に予備校に通っていることを黙っていた。
本気っぽくて恥ずかしいと言う浪に、榀子はそんなことないと笑う。

浪は小学生の時に賞をもらって以降、絵のうまいやつというキャラクターになる。
なんでもできた兄はいつもみんなの中心で、そんな兄に浪が唯一勝てるのが絵だったのだ。

お盆休みに実家に帰るのかと聞く榀子に、浪は「講習があるから」と返事をする。
浪の言葉の端々に、湧の面影を見つける榀子に、浪は食器を拭いていた手を止めて「俺は兄貴の模造品じゃない。ちゃんと俺を見て」と告げる。

浪の自分への気持ちは錯覚だという榀子。
自分の気持ちを否定された浪は、榀子の湧への気持ちだって体の弱い兄への同情と愛情を混同していたんじゃないかと声を荒げた。

そんな浪に、榀子は冷静なまま「言い切れる」と断言する。
らしくないと言われた浪は、ハッとして悔しそうな表情を浮かべた。

ハルは予備校に出前に来ていた。
予備校の講師とバイト先の店長との話で盛り上がっていたところに、浪が夏期講習の申込書を持ってやって来る。

ある夜、浪は予備校の帰りにリクオの働いているコンビニに立ち寄った。
互いに嫌味を言い合っているところに、ハルが現れる。
ハルと顔を合わせた浪は、予備校に出前に来ていた子だと気づいて声をあげた。

ハルとリクオの関係を知った浪は、キープしてるのかと呆れる。
否定するリクオを相手につい長話をしていると、リクオはバイト先の先輩である木ノ下に怒られて裏へと連れていかれるてしまった。

コンビニを出た浪は、家までの帰り道をハルと並んで歩く。
ハルが榀子と自分の差に悩んでいるのを聞きながら相槌を打っていた。

榀子はモテるという発言に、浪は「自分は相手にされない」と自嘲。
悔しげに空を見上げた浪の背中を、ハルに思い切り叩かれ「私のためにも頑張って」と応援される。

別れる間際、目の前を一羽のカラスが飛んでいき、ハルの腕に止まる。
カラスの名前を教えて去っていったハルに、浪は「変なヤツ」と呟いたのだった。

お盆に入り、浪の父と榀子は実家のある金沢へと帰っていた。
あの日以来会っていなかった榀子は、外食ばかりする浪にカレーを作り置いてくれた。

浪の性格をよく知っている榀子。
いつも榀子に先手を打たれてしまう浪は「ごめんなさい」や「ありがとう」が素直に言えずにいた。

浪は榀子が東京で就職するのは兄を忘れるためだと思っていた。
しかし、忘れようとしていたのではなく、兄のいなくなった日常から目をそらしたかったことを悟った。すべて榀子の問題で、自分が入る余地がないことに気づいたものの、浪はまだ諦めないことを誓った。

金沢の家で、榀子は浪の父から家を人に貸そうとしていることを聞く。
遺品を眺めながら、忘れて前に進んだほうがいいと言われた榀子は、外が暗くなるまで湧の遺品を見つめていた。

すると、外から桜の花びらが舞い込んで来る。
振り返った先には満開の桜の木と、学ランを着た湧の姿が。
消えて行く湧の姿に、榀子は静かに涙を流した。

兄にはなれない浪は、自分の一番の取り柄である絵に本気になることを決めた。
思うように絵が描けずに悩んでいた浪は、同じ予備校に通っている滝下に声をかけられる。

技術は置いといて浪の絵は面白いと言った滝下は、絵を描くことが好きだから描き続けると笑い、浪にも同意を求めた。

滝下の話を聞いた浪は立ち上がり、笑顔を取り戻す。
ようやくスタート地点に立った自分に、どこか誇らしげな表情を浮かべていた。

【イエスタデイをうたって】第4話の感想

今回は浪に焦点が当てられていました。
浪と榀子の関係は親密そうに見えましたが、こちらも一筋縄ではいかなそうです。

浪の想い人である榀子は、いまだに浪の兄・湧を忘れられずにいました。
身長や喋り方が兄に似てきたことを指摘されるのは、見ているこちらも切ない気持ちになります。

好きな人が、自分と別の男を比べるのって傷つきますよね。
それが血の繋がった兄だったら、なおさらです。

浪が絵を描く理由にも、兄の影響がありました。なんでもできる兄に唯一勝てる絵。
浪にとって、褒めてもらえるのは絵しかなかったのだなと思うと少しかわいそうに思います。

中学生の榀子の「浪くん絵上手だよね。湧くんは苦手なのに」という言葉も、無意識に兄と比較されてしまっている部分です。
幼い頃から人の中心にいた兄に対して、対抗心や嫉妬のような感情もあったのかもしれません。

ハルのメイド服が店長の趣味だったことには驚きました。
基本的に黒い服を着ているハルは、あまり服に頓着がないのかとも思いましたが、メイド服は恥ずかしいみたいですね。

よく削られた鉛筆の芯が折れる描写がとても印象的でした。
思うようにできないデッサンへの焦りのようなものが見えた気がします。

ハルと浪は、お互いに好きな相手にフラれている同士。
帰り道での会話は互いの葛藤を打ち明けていて、意外といいコンビに見えました。
達観しているハルも、浪相手には少し子供っぽい雰囲気が垣間見えます。

金沢に帰った榀子が遺品を見つめる場面も切なかったです。
幻覚が見えてしまうくらい過去に取り憑かれていたのかと思いました。
あのシーンで、榀子の止まっていた時間が動き始めたかもしれません。

美大に行きたい理由が明確ではなかった浪が、ようやく本気になって取り組む姿がとてもよかったです。

兄に唯一勝てるものだった絵に対して、本気で向き合い、頭を悩ませる。
友人の話を聞いて笑顔を浮かべた浪に、少しだけ前に進んだように思いました。

【イエスタデイをうたって】漫画家の「冬目 景」とは

今回は、浪が中心の話になってましたが、美大に関して話が妙にリアルだと思った人はいますでしょうか?

実は、この「イエスタデイをうたって」を描いた漫画家「冬目 景」(女性)は、多摩川美術大学を卒業しています。多摩美で油画を専攻していました。美術の描写がリアルなのが納得です。

また、「イエスタデイをうたって」でなぜカラスが出てくるのか?不思議に思った人はいませんでしょうか?

カラスが出てくる理由も、これで分かったような気がします。こう言っては失礼かもしれませんが、美大を出ている人は、モノに対するこだわりや考え方がやはり一般人とは一味違います。

カラスを肩に乗せているハルの発想も、固定概念にこだわらない「冬目 景」ならではアイディアだったのだと思います。

そして、これは推測でしかないのですが、ひょっとしたら美大時代にカラスを手なずけている人がいたとか、カラスのデッサンをしているうちにカラスの魅了されたなんていう可能性もあります。

いずれにしても、そんな豊かな発想をする「冬目 景」に注目ですね。

アニメが好きな人の中には、芸術関係が好きな人もいるかと思いますので、「冬目 景」の別の漫画もオススメします。

★建築が好きな人にオススメなのが、「マホロミ 時空建築幻視譚」

亡くなった建築家の祖父の家を訪ねた主人公が、ふとしたキッカケで時空を超えた経験をするという話。建築やインテリアが好きな人はもちろんタイムトラベルものが好きな人にもオススメです。全4巻なので気軽に大人買いできます。(実際買いました!)

★伝奇物が好きな人にオススメなのが、代表作の「羊のうた」

小さな怪我をキッカケに自らの血に対する欲望に目覚めていく主人公。他人の血が欲しくなるという奇病にかかった一族の話。バンパネラで有名な萩尾望都の「ポーの一族」的な話です。バンパイアが好きな人に必見です。全7巻、アニメ化、映画化(小栗旬、加藤夏希)もされてますのでソチラも必見です。

まとめ

美術大学に向けて予備校に通い始めた浪は、周囲との差に落ち込みます。
兄の面影を自分に重ねる榀子に自分の思いを伝えるも、榀子の気持ちは兄に向いたまま。

浪は、自分の心と向き合い、悩みながらも、気持ちを新たに頑張ることを決めます。
今後、浪はどのように人生を進んでいくのか、今から楽しみです。頑張れ、浪!

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